コラム
2018.07.26
依存症といういう言葉を耳にすると一般的に酒や薬物への依存症を想像する方は多いと思います。社会保険が世界一優れている日本においても麻薬性鎮痛薬(オピオイド)が存在しており、代表的なものはモルヒネがあります。主に痛み止めや咳止めとして使用されることが多いのですが、重篤な疾患を患っている方の場合麻薬性鎮痛薬(オピオイド)を処方されることがあります。
実際にオピオイドの流行が米国で猛威を振るっており、2000年以来、合成オピオイドの過剰摂取による死亡率は4倍に上昇しています。
そして、タバコやアルコールといった身近な薬物も存在します。
アルコールによる害は、イギリスだけでも、毎年35億ポンド(約500億円)の国民健康保険を消費・圧迫しています。
また、アメリカの死亡者の20%以上はタバコが原因であると推定されています。
中毒とは?
中毒は、「一貫してやめることができない、患者の行動コントロール障害、渇望、自分の行動や対人関係における重大な問題の認識低下、および感情反応の機能障害によって特徴付けられます。他の慢性疾患と同様に、中毒はしばしば再発と寛解のサイクルを伴います。治療や回復活動を行わなければ、中毒は進行し、その結果、障害や早期死亡の原因となる可能性があります」
有名な中毒専門医であるガボール・メイト博士は、本質的には物質には中毒性がないことを示唆しています。
「その物質がクリスタル・メス、ヘロイン、コカイン、大麻、アルコールであろうと、
またはそれが、セクサホリック(アルコールに浸っていること)、インターネット中毒、ギャンブル、買い物、仕事などの行動に現れようとその中毒を引き起こすのは実際の活動や物質ではなく、その物質や行動との内的関係であり、感受性なのです。何が感受性を生み出すのでしょうか?それは非常に単純なことです。トラウマ(心的外傷)です」と彼は述べています。
そのため、多くの中毒治療が解毒(デトックス)または退薬プロセスに焦点を当てているものの
再発を防ぐための決定的な要素は、過去のトラウマを癒すことであり、そのほとんどは中毒者の幼年期の出来事が原因となっています。
メイト博士は次のように説明しています。
「トラウマは、独自の信念と対処の仕方を引き起こします。対処法の1つは、感情をシャットダウンし、感じないようにすることです。今、あなたは自分自身とは異質のものになります。
そうすれば、あなたは痛みを感じることはありません。私の一人の患者が非常に雄弁に語ったように、その言葉を使うことをご容赦ください。
「私が薬をする理由は、私が薬をやっていないときに感じるひどい気分を感じたくないからです。」
中毒のほとんどの症例の背後にある深い痛みや苦しみに触れなければ、再発が繰り返し起こることは容易に理解できます。
ありがたいことに、母なる自然は、薬物をやめる時に起こる恐ろしい禁断症状を緩和し、長年の心の傷に癒しことをサポートしてくれることに役立ちます。
そんなお悩みを抱えている方はヘンプ由来のCBDを取り入れてみてはいかがでしょうか。
CBDは2017年12月に世界保健機関が公表した通り、無毒であり、非中毒性であるだけではなく
私たちの身体にとって有効性が認められた成分であり、トラウマを緩和してくれる働きがあります。
カンナビジオールとしても知られているCBDはヘンプの中に含まれるカンナビノイド成分のひとつです。
CBDオイルのメリットは、長期にわたる中毒によって引き起こされる脳細胞の損傷に対抗する神経保護です。海外の研究では、カンナビジオールはアルコールの乱用によって引き起こされる神経の変性をカットさせることが明らかにされました。
他には緑茶、カモミール、パッションフラワーなどの植物性の漢方も禁断症状を軽減すると考えられています。
一般に緑茶として知られているカメリア・シネンシス(Camellia sinensis)は、モルヒネに誘発されるcAMP濃度の上昇およびドーパミン受容体のシグナル伝達をともに阻害することで用量依存的に禁断症状を軽減させるエピガロカテキンガレートを含んでいます。
カモミールは、前臨床試験での禁断症状の急性兆候を軽減することが示されています。
この試験では、軽いハーブのお茶を飲むことではなく、カモミールエキスを注入することを意味していますが、ラットにカモミールを与えると、モルヒネから離脱する際に、その欲求が顕著に減少します。
最後に、パッションフラワーエキスを、デトックス(解毒)プロセス中に処方されることが多い薬物であるクロニジンと共に投与するとクロニジン単独で投与した場合と比較して、デトックスの際に経験する精神的不快感を軽減する能力が優れていることが示されました。