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コラム

天然由来CBDと人工的に作られた合成CBDの違いとは?
2025.04.12
天然由来CBDと人工的に作られた合成CBDの違いとは?

2024年12月、日本のCBD業界に大きな変化が訪れました。75年ぶりに「大麻取締法」の改正が行われ、CBD製品に含まれるTHC(テトラヒドロカンナビノール)の許容値がこれまで以上に厳格化されました。

 

この法改正により、欧米諸国と日本におけるCBD製品の取り扱い基準に大きな差が生まれ、特に海外ブランドが大きな影響を受けました。ヘンプナビで取り扱っているヘンプタッチ、エンドカ、ヘンプメッズ、ビーマインといったブランドは全て欧米から輸入している製品のため、例外ではありません。

 

欧米では、最新の研究や実例に基づき、ヘンプに関する規制は緩やかになってきている一方で、日本はより厳格な道を選択しました。そのため、海外では合法な製品であっても、日本市場には適合できないケースが増えています。結果として、日本向けにCBD製品を徹底管理できるごく限られたブランドのみが、日本市場に再び戻ってこられる状況となっています。

 

合成CBDが増えていく背景とは?

 

今回の法改正は、厳しさばかりが注目されがちですが、すべてがネガティブなわけではありません。長らく整備されていなかった法律に明確なルールができたことで、違法な合成カンナビノイドなどのリスク製品が市場から排除されるという点では、消費者にとって大きな前進でもあります。

 

ただし、この厳格な基準に対応するために、今後の市場では「天然由来CBD」よりも「合成CBD」を用いた製品が主流になっていくと予想されます。大手企業や新規参入企業の多くは、法規制に確実に準拠できる合成CBDの使用にシフトしていくことが予想されます。

 

問題は、消費者側からは製品に使用されているCBDが天然由来か合成かを見分けることが難しいという点です。合成であること自体は違法でも悪でもありませんし、メーカーが開示する義務も現時点ではありません。

 

私たちもこの業界に入ってから、「リポビタンDのビタミンCが天然ではなく合成である」という事実を知りました。ビタミンCのように、効率やコストの観点から合成成分が採用されるのはごく一般的なことでもあります。

 

合成CBDは効果があるのか?

 

2014年、アメリカFDAはてんかんの治療薬「エピディオレックス(Epidiolex)」を承認しました。これは、2歳以上のレノックス・ガストー症候群やドラベ症候群に対して処方が可能な、カンナビス植物から抽出された天然由来のCBD製剤です。合成CBDではなく、実際の植物由来です。

 

さらに2018年の『神経学研究フロンティア』の論文では、植物由来CBD抽出物(フルスペクトラム)と純粋なCBD(アイソレート)の効果比較がなされました。結果は、フルスペクトラムを使用した患者の71%が症状の改善を報告。一方、アイソレート使用者では36%にとどまりました。これは植物由来のCBDが他の天然成分との相乗効果(アントラージュ効果)を持つ可能性を示唆しています。

 

同時期、化学的に合成されたCBD「H2CBD(8,9-ジヒドロカンナビジオール)」を使った医薬品「Zygel」も登場し、2020年末までにFDAからの承認を受けるなど、合成CBDの医療利用も進んでいます。

 

自然の力に価値を感じるあなたへ

 

合成CBDが効果的であるという研究結果や医療現場での使用実績は確かに存在します。法律への対応もしやすく、製造も安定しているため、今後ますます存在感を増していくでしょう。

 

ただ、それでも私たちは、大地の恵みから生まれた天然由来のCBDにしかない“癒しの力”があると信じています。

 

一つの植物が持つ、目には見えない力。CBDだけではなく、自然に含まれるカンナビノイドやテルペンたちが織りなすハーモニー。それを体感したことがある方なら、きっとわかっていただけるはずです。

 

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